2015年御翼10月号その3

与えれば与えられる

  

 神を信じる者は、なぜ献金をするのであろうか。その理由は二つある。一つは神のため、もう一つは人のためである。神は金を必要としておられるわけではない。その金を使用するのは人間である。しかし、それは神の福音の伝道のため、人をささえるために用いられる。 
 この意味においては、献金は人のためである。しかし、神は、各人が自分のことばかり考えず、福音のこと、他人のことを考えることを喜ばれる。したがって、人が神の福音の伝道のことを思い、他人のために益となるように用いられることを考えて行なう献金を、神は喜ばれ、祝福される(「神は喜んで施す人を愛してくださるのである」(コリント第二 九章七節)。この点から言えば、献金は神のためである。このような意味で献金は神のためであり、同時に人のためなのだ。     
 佐藤陽二著『マルコ福音書講解』
(アンカークロス出版)p・220より

 ルカ5・38に「与えなさい。そうすれば、自分も与えられます」とある。これは見返りを求めて行うということではない。「下心」のある量りは、同様に下心をもって量り返される。たとえ人の目には見えなくても、神様の目にはすべてが明らかだからである。
 クリスチャンの不動産業者・奥田英男さんは、23歳で父親からその事業を引き継いだとき、8億5千万円の負債があったという。それ以来31年経つが、現在も黒字経営を継続しているという。
 父が経営していた時は、特定の顧客にだけよく接待をし、お中元やお歳暮も、数万円の高額なものを贈っていた。しかし二代目の奥田さんが経営するようになってから、アパートの管理をさせていただいている地主にもお中元やお歳暮を届けるようにした。それまでは数件だった送り先が、一律数千円の品物が数百件にのぼった。大きな負債を抱え、お金はとても必要で、大切だったが、「すべてのお客様に感謝をし、気持ちをお届けしなさい」と天からのアドバイスが舞い降りてきたのだと奥田さんは言う。それは聖書と出会う前だったが、それからはお客様に恵まれ、仕事もどんどん拡大していった。天の法則に従った結果である。その後も、年々右肩上がりで地主、家主が増え続けた。「お金は自分だけのためではなく、人のためにも使うこと」それが天に宝を積むことになり、地上の生活をますます豊かにする。(奥田英男『いつも喜んでいる人の7つの秘訣』より)
 不動産業の枠の中で「与えれば与えられる」という法則が事実ならば、神の国の業のためにそれを実践したならば、その祝福は金銭だけでなく、その人の性格や生活様式にまで及び、愛を分け与える人への変えられていくのだ。学生の頃から十分の一献金を必ずしてきた私にとって、会堂ローン返済の必要が満たされてきたのも、神の約束の成就である。

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